エアコンの掃除は年に1回なんて書いてあるけれど、実際はどうでしょう?
プロにお願いする頻度や、判断基準を書きました。
エアコンクリーニングを依頼する頻度について
まず、クリーニング業者によるエアコンクリーニングは、一般的に年に1度で良いです。
これは、エアコン内部にホコリが蓄積してカビや雑菌が繁殖し、臭いが気になるほど汚れた空気を出したり、送風口周りにカビが見えるようになる目安がその位の期間だからです。
プロによるクリーニングでは、主に熱交換器や本体カバーの裏側、ドレンパン、ファンを掃除します。
プロに依頼することによるメリット
プロに依頼することで、一般家庭ではできない全体を覆うカバーやルーバーの分解をして隅々まで洗ったり、高圧洗浄機といった専門器具と専用の洗剤を使用することで普段はまず手が届かないような熱交換器やファンの奥に溜まった汚れを洗い流してキレイにします。
また、新品に近い状態にクリーニングすることでエアコンの買換えに必要な一台数万円から十数万円と掛かる費用を浮かせることも可能となります。
エアコンクリーニングの頻度を一概には言えない理由
「一般的には1年に1回」と上に書きましたが、これはあくまでも一般論。
実際は、エアコンが設置されている部屋の環境(ホコリ・油分・水分)や日々のお手入れにより、エアコンクリーニングの頻度は変わります。
<Aさん宅>
エアコンクリーニングを8年間頼んだ事が無く、フィルターの掃除の頻度も年に数回ほど。
全体的にタバコのヤニで黄色く染まっており、エアコンの周囲の壁紙にもホコリとクモの巣がへばり付いていた。試運転をしてみればタバコのヤニの臭いの付いた風が吹き出し、カバーを開けるとフィルターを通り越して熱交換器にまでホコリが分厚く付着していた。
日々の掃除の頻度も少ない事に加え、寝室にエアコンが設置されていたことでホコリが溜まりやすく、部屋主に喫煙をする習慣があったためにタバコのヤニ汚れが酷かった。
<Bさん宅>
エアコンクリーニングを4年間頼んだ事が無く、フィルターの掃除の頻度も年に数回ほど。
お掃除機能付きのためフィルターの汚れは少なかったが、上部のカバーに吹けば飛び散るような量のホコリが積もり、ダストボックスには一杯までホコリが詰め込まれていた。ファンにはカビが繁殖して黒ずんだホコリが密集していた。
日々の掃除の頻度も少ない事に加え、リビングにエアコンが設置されていたことでホコリが溜まりやすく、同じ部屋に観賞魚用の水槽が置かれていたために温度・湿度が保たれカビが繁殖しやすい状態となっていた。
<Cさん宅>
エアコンクリーニングを5年間頼んだ事が無く、フィルターの掃除をしたことが無い。
指でなぞってホコリが付いていると分かる程度のホコリがカバーやフィルターなど全体的に付いていたものの、通常は付着しているようなファンに目立つようなホコリやカビが付着していないため、昨年あたりにクリーニングを行ったかと思う程キレイだった。
事務所として使用している部屋であるものの、部屋自体に入るのも月に数回程度でエアコン自体もあまり使用していないようだった。
自分でエアコンを掃除する頻度や方法
1. 家庭でエアコンを掃除する頻度
使用環境によりますが、ホコリなど付着した汚れが目立つようになる2週間に一度か1ヶ月に一度を目安として下さい。
2.家庭で掃除すべき場所や部品
・本体カバーの上側
・フィルター
・ダストボックス
・送風口
3.家庭でのお掃除ポイント!
家庭でお掃除する際には最初にエアコンのコンセントを抜いて電源を切って下さい。電源が入っている状態でエアコンの部品を動かすとファンの回転に指が巻き込まれて怪我の原因となったり、部品に無理な力を加える事で破損やエラーの原因となるからです。
本体カバーの上側の掃除では掃除機が届きにくいため、ハンディモップで拭き取りましょう。なお、フィルターを外してしまうと内部の熱交換器にホコリが入り込んでしまうため、フィルターを取付けた状態でカバーのお掃除をしましょう。
フィルターやダストボックスの掃除では最初にホコリが飛ばないようにそっと部品を取り外し、乾いた床の上に置いて掃除機で表側からホコリを吸い取りましょう。この時に裏側を上にして床に置いてしまうと表側のホコリが床に付着し、ひっくり返した時に裏側にホコリが再付着してしまうため注意しましょう。
なお、いきなり水洗いしてしまうとホコリがメッシュやブラシにへばり付いて洗い流すことが難しくなるので注意しましょう。また、ホコリを取り除いた後で水洗いするときには中性洗剤を薄めた水に部品を浸け、歯ブラシなどでブラッシングすることで付着したカビや油分を除去することができます。なお、タワシなど固い毛先のものでこするとプラスチックの部分に傷がついてカビが入り込む隙間ができてしまうため、柔らかめのブラシを使いましょう。
部品を洗い終えたら乾いたタオルで水分を拭き取るか、陰干しにして十分に乾かしましょう。なお、ドライヤーで温めると熱による変形を招いてしまうので、乾燥にドライヤーを使用することは控えましょう。
送風口の掃除では掃除機やクロス、モップが届きにくいため、割り箸にキッチンペーパーを巻き付けて輪ゴムで根元を留めた「お掃除棒」などを使いましょう。付着している汚れがホコリだけであればそのままこすってホコリを落とします。カビや油分で汚れている場合にはお掃除棒をキッチン用アルコールに浸してこすることで付着したカビや油分を除去することができます。力を入れ過ぎると送風口にあるルーバーを折ってしまったり、ファンに当たって割れてしまうなど破損の危険性がありますので注意してお掃除しましょう。
エアコンクリーニングをプロに依頼するかの判断基準
エアコンクリーニングをプロにお願いする際の指針(サイン)を五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)からアプローチしてみました!
視覚
送風口周りに黒い点々としたカビが付いていたり、内部のファンにホコリが付着していることが見えたらエアコン掃除のサインです。このまま放置しておくと、エアコン内部に積もったホコリや黒カビが送風と共に送風口から室内全体にばらまかれてしまいます。
触覚
エアコンのカバーを触れてみて油分でベタベタする感触があればエアコン掃除のサインです。このまま放置しておくと、油分で送風口周りに付着したホコリが風で飛ばされて、油の臭気を帯びたホコリが送風と共に室内全体にばらまかれてしまいます。また、油分でフィルターにホコリが詰まりやすくなり、風量が弱まったりモーターの負荷が増して電気代が増加することに繋がる可能性があります。
嗅覚
送風からカビ臭ささや酸っぱい臭いがあればエアコン掃除のサインです。このまま放置しておくと、カビ臭さや酸っぱい臭いの原因であるカビや細菌が送風と共に室内全体にばらまかれてしまいます。
その他
風量が弱く感じたらエアコン掃除のサインです。このまま放置しておくと、フィルターや熱交換器に詰まったホコリによってモーターの負荷が増して電気代が増加している可能性があります。また、エアコン本体から水漏れがあればエアコン掃除のサインです。このまま放置しておくとドレンパンに溜まったホコリや汚れで排水口が詰まって水たまりができ、カビや細菌の繁殖するプールの発生に繋がります。
エアコンクリーニングの頻度に関するQ&A
Q.エアコンクリーニングをプロに頼むことと、エアコンの寿命と関係ある?(エアコンクリーニングをお願いすると、エアコンの寿命は長くなる?
A.寿命が長くなる可能性はあります。エアコンの寿命を決定づける要因の一つとしてモーターにかかる負荷があります。フィルターや熱交換器にホコリなどが詰まると十分な風量を吸い込めず、より多くの風量を確保しようとしてモーターがより過剰に稼働してしまうため、最悪の場合は故障に繋がりモーターの寿命を短くしてしまいます。プロに依頼してフィルターや熱交換器をクリーニングすることでモーターを正常な稼働に戻して寿命を長くする可能性があります。
Q.エアコン掃除の必要性。掃除しないとどんな不都合が生じるの?
A.掃除をしていないとフィルターや熱交換器にホコリなどが詰まります。そうなると十分な風量を吸い込めず、より多くの風量を確保しようとしてモーターがより過剰に稼働してしまうため、モーターに負荷が掛かり最悪の場合故障に繋がります。また、エアコンの使用によって生じた結露の水分が溜まると、水分を元にして雑菌やカビが繁殖します。繁殖した雑菌やカビは送風口から風と共に出ていきますので、室内全体に雑菌やカビの繁殖が及ぶ事に繋がります。また、繁殖したカビは人体に有害であるため、幼児やご高齢の方など免疫の弱い人の喘息や肺炎などの疾患に繋がり健康に影響を及ぼす可能性があります。
A.(アレルギー症状とか、電気代が高くなるとか、カビが発生するとか、故障に繋がるとかでしょうか・・・・??どうぞよろしくお願いします!)